miyuさん

TATTOO TOUR TOKYO JOURNAL

miyuのタトゥー|胸の百合、バレエの白鳥と黒鳥、美容師のハサミ

Photo by TATTOO TOUR TOKYO

2026年10月29日 公開 · 10月29日 更新
文 TATTOO TOUR TOKYO · 9分

CONTENTS 11
  1. 胸の百合
  2. 手首のハサミとバレエシューズ
  3. 黒一色の理由
  4. 白鳥と黒鳥
  5. 妖精と真珠
  6. 犬とヘビと、ファーストタトゥー
  7. 肩から腕へ
  8. 背中のバラと「666」
  9. 好きなものだけを入れる
  10. これから
  11. miyuさんのタトゥーを彫った人

街を行くタトゥーの持ち主に、その一つひとつに込めた話を聞くTATTOO TOUR TOKYO。このジャーナルには、SNSの短い動画に入りきらなかった話まで、撮影した素材から書き起こして載せています。今回の相手は、原宿のサロンで働く22歳の美容師、miyuさん。2025年12月23日、街頭で、胸から腕、背中まで、黒一色のタトゥーを一つずつ見せてもらいました。

――タトゥーはどこに入れていますか?

miyu

両腕と胸と、あと背中と。腰にも入りました。首の後ろにも。上半身は結構入ってます。下は、足とかは全然入ってない。

胸と両腕にタトゥーが入ったmiyuさん

全身のタトゥー一覧

部位モチーフ意味彫った人
胸百合聖母マリアの花。子どものころから大事にしてきたものルナさん
右の手首ハサミ美容師になる決心―
左の手首バレエシューズ3歳から続けたバレエ―
両肩白鳥と黒鳥『白鳥の湖』の憧れの役―
左腕妖精何度も踊った妖精の役―
腕貝と真珠自分が踊った真珠の役―
腕犬と名前、数字飼っている犬と、その誕生日―
腕ヘビ縁起がいい―
―羽ファーストタトゥー―
左の肩〜腕百合と十字架の曲線制作中。お任せで続けている―
腕蜂Diorのアトリエの職人―
背中4つのバラ頑張りが咲いていく―
背中英文の歌詞『シンデレラ』の曲。言葉は秘密―
肩甲骨「666」救ってくれる数字―

彫った人の欄が「―」のものも、本人の言葉では「1、2個違う人なんですけど、基本的にその方に」。大半は同じ彫り師の手によるものです。

胸の百合:聖母マリアの花を、大きく

胸の中央、鎖骨の下に、左右対称に組まれた百合が広がっています。花と葉と細い曲線が、教会の装飾のように胸元を横切る。撮影の日のmiyuさんは、その下に大きな黒い十字架のネックレスを下げていました。

――いちばん推したいタトゥーは?

miyu

ここですね、やっぱ。この胸の百合のタトゥー。一番大きいし。百合です、ちっちゃめの百合ですけど。

――どうして百合を入れたんですか?

miyu

聖母マリアの象徴っていうか、そういうお花で。自分の幼少期の、結構大事にしてるところを入れました。小学校、中学校がキリスト教の学校だったので、そこで学んだこととか、今になって思うことが結構あるので。聖母マリアのお花が百合の花だったんで、それで入れました。

白い百合は、聖母マリアの純潔を表す花とされています。天使ガブリエルがマリアに受胎を告げる「受胎告知」の場面とも結びついてきた花です(みんなのタトゥー)。

――胸に入れた理由は?

miyu

入れようと思って。結構大きく入れたかったので、彫り師さんと相談して入れました。

値段は「だいぶ前であんま覚えてないんですけど、多分3、4万とかだった気がします」。

――彫り師さんはどんな方ですか?

miyu

ルナさんっていう、個人でやってる女性の方で、いつもその人に入れてもらってます。仲良くて、プライベートでも時々会います。

miyuさんの胸の百合のタトゥー

手首のハサミとバレエシューズ:頑張ると決めた二つ

右の手首の内側には、柄に飾りの付いたクラシックなハサミ。左の手首には、リボンを結んだトウシューズが一足。

――手首のタトゥーは?

miyu

手首のタトゥーもお気に入りで。ハサミは、4月から美容師で、決心として入れてます。

――反対側はバレエシューズですね。

miyu

そうです。バレエは10年ちょっとぐらい。3歳とかなんで、ほぼ親が連れてってくれて始めたって感じです。でも今でも大好きなので、それで入れました。

――この二つを手首に入れた理由は?

miyu

あんまり人生でハマるものがなくて。唯一この二つはすごい大好きなもので、自分が頑張るって決めたことがこの二つだったんで、それで入れました。

値段は一つずつで「大体多分1万前後」。

miyuさんは美容学校を出て、2025年4月から原宿のサロンで働いています。取材のときは、まだアシスタントでした。

憧れのサロンだったので、働けるのは嬉しいです。

― miyu
右手首のハサミと左手首のバレエシューズ

黒一色の理由:飽き性だから

百合も、ハサミも、鳥も、すべて黒の線と影だけで彫られています。

――全部黒で統一しているんですか?

miyu

そうですね、カラーは入れてないです。ちょっと飽き性なので、彫り師さんにも、多分やめておいた方がいいよ、飽きちゃうと思うって言われて。普段のファッションが黒ばっかなので、今日はたまたま色があるんですけど、あんまカラーって感じじゃないので、白黒で。

――全体のテーマはありますか?

miyu

テーマっていうか、洋風なもの。昔の王室とか、ちょっとゴシックな感じが好きなので、そういう雰囲気で。曲線っぽい感じの方が好きなので、結構くるくるして。

撮影の日も、ベージュのワンピースに黒い十字架、網タイツに黒のロングブーツでした。

黒一色のタトゥーで揃えたmiyuさん

白鳥と黒鳥:『白鳥の湖』の憧れの役

両肩には、2羽の鳥がいます。

――このタトゥーは白鳥ですか?

miyu

黒鳥です。こっちにも。これもバレエの、好きな作品で入れました。

――バレエで白鳥というのは?

miyu

チャイコフスキーの作品で有名なのがあって、三大バレエ作品みたいなのがあって。憧れの役なので、それで入れました。

『白鳥の湖』では、呪いで白鳥の姿に変えられた姫オデットと、王子を惑わす悪魔の娘オディール、いわゆる黒鳥を、一人のバレリーナが踊り分けるのが一般的です。清らかな白と妖しい黒。対になる二役が、miyuさんの左右の肩に分かれて入っています。

白鳥の値段は「多分2、3万」。

肩に入った黒鳥のタトゥー

妖精と真珠:自分が踊った役を彫る

左の前腕、バレエシューズの少し上に、羽を広げた妖精がいます。まわりを細い線の星や渦が取り巻いています。

――このタトゥーは?

miyu

妖精のタトゥー。これもバレエで、妖精の役を結構踊ったので、それで入れました。彫り師さんがめちゃくちゃアレンジしてくれて、ここもフリーハンドでやってくれて。お気に入りです。

――どうやってお願いしたんですか?

miyu

みんなが入れてるような見本みたいなのが、本当にあんまなかったので、妖精入れたいって言って。あとはもうデザインとか、ほぼ彫り師さんがやってくれました。

腕には、口を開けた貝の中に真珠が一粒、という図柄もあります。

――これは何ですか?

miyu

真珠。貝が開いてて、真珠が中にあるんですけど、これもバレエで。自分が踊った役の、真珠の踊りがあって、それで入れました。

真珠の値段は「1万、2万ぐらい」。

左腕の妖精のタトゥー

犬とヘビと、ファーストタトゥー

バレエ以外のタトゥーもあります。腕の内側には、丸い耳の子犬の顔。上に筆記体の名前、下に数字が並びます。

――これは何ですか?

miyu

飼ってる犬です。クマってよく言われるんですけど。ちっちゃいときの写真を、彫り師さんがタトゥーにしてくれました。

――数字は?

miyu

生まれた年と日にちを。上は名前ですね。

その下、肘の近くには、体をくねらせたヘビが1匹。

――ヘビはなぜ入れたんですか?

miyu

結構最初の方に入れて。なんか縁起が良くて。何入れようかなと思って、入れました。

――ファーストタトゥーは?

miyu

羽のタトゥーが入ってます。フェザー。それが最初です。

腕のヘビのタトゥー

肩から腕へ:百合と十字架と、Diorの蜂

左の肩から二の腕へ、細い線の唐草と百合、十字架がつながっていきます。首の後ろから肩にかけても、同じ曲線が伸びています。

――肩にも入ってるんですか?

miyu

そうです、続いてます。今途中なんですけど、ここまで入れました。

――これも彫り師さんと相談して?

miyu

入れたいお花と、十字架入れたいっていうのだけ言って。あとはもう全部お任せで、彫り師さんがやってくれて。

――これも百合ですか?

miyu

百合です。好きですね。特にお花が大きいのとか。

前腕にある模様も、この続きです。「これは上の続きで、まだ繋がってないんですけど、どんどん繋いでいきます」。

腕には、蜂も1匹とまっています。

――蜂はなぜ入れたんですか?

miyu

服を好きになったきっかけが、ディオールのオートクチュールのコレクションを中学生のときに見たことだったので。ディオールの、その作る人のことをミツバチって呼んでるので、結構象徴で、それを入れました。

クリスチャン・ディオールは自分のメゾンを巣箱にたとえ、モンテーニュ通り30番地のアトリエで働く職人たちは「蜂」と呼ばれていました(Harper's BAZAAR Malaysia)。

左腕の百合の曲線

背中のバラと「666」:頑張りが咲いていく

背骨に沿って、小さなバラが4つ。上から下へ、だんだん花が開いていきます。

――背中のバラは?

miyu

どんどん咲いていってる感じです。画像を見てて可愛かったのもあるんですけど、自分が頑張ってる部分で咲いていくことと、自分の頑張りが報われていくのが重なるなと思って入れました。

――入れたのは就職活動のころですか?

miyu

結構その時期にめっちゃ入れてます。

右の肩甲骨の上には、筆記体の英文が3行。

――これは何と書いてあるんですか?

miyu

歌詞で。ディズニーの、シンデレラの曲です。好きな曲を入れました。覚えてるけど、秘密で。ちょっと恥ずかしいかも。就職で一回、結構落ち込んだときがあって、そのときに自分で励ましで入れたので。

左の肩甲骨には、数字の「666」。

――666は悪魔の数字ですよね。

miyu

悪魔の数字なんですけど、エンジェルナンバーでも意味があって。救ってくれる感じ、精神的な救いっていうか、そういう意味もあるんで、それで。ここに入れたのは、バランスが良かったから。

背中に縦に並ぶ4つのバラ

好きなものだけを入れる:きっかけと、入れてよかったこと

――タトゥーを入れたきっかけは?

miyu

最初はもう、ちょっとかっこいいねぐらいの憧れで入れました。高校生のときの憧れが最初。でも今は、自分の好きなものとか、好きだったものとか、自己表現で入れてます。バレエが多いし、お花も好きなものしか入れてないし。

――入れてよかったことは?

miyu

友達はみんな可愛いって言ってくれてます。それに、やっぱりハサミを見ると、みんな美容師なんだって。大体突っ込まれます。夏とかは特に。多い方だと思うんで、やっぱり何かしら言われます。

――周りにタトゥーを入れている人は多いですか?

miyu

私が知ってる人は、結構入れてる人が多いかな。

入れてよかったことを話すmiyuさん

これから:次は足に

左腕の曲線は、完成まで「いつになるかわかんない」。右側の予定を聞くと、「どうしようって感じです。でも多分埋まっていくと思う」。

――次に入れたいタトゥーは?

miyu

一旦ここの続きを埋めて、あとは足に全く入ってないんで。足に入れたいな。

バレエを本格的に離れたのは6年前。いまも時々、踊りに行きます。

――今も体は柔らかいですか?

miyu

もう硬くなっちゃいました。やってたときは毎日しっかりストレッチとかやってたけど、もうやってないので、開脚とかもできません。でも、めっちゃ楽しかった。頑張ってました。

美容師としては、取材のあと、2026年4月からカラーを担当する予定でした。

4月からカラーできるので、ぜひお願いします。来てください。

― miyu
これからについて話すmiyuさん

miyuさんのタトゥーを彫った人

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流生(るな)さん(Angel's Trumpet、神奈川・登戸のプライベートスタジオ)胸の百合をはじめ、ほとんど
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PROFILE

miyu

原宿のサロンで働く美容師。3歳から10年あまりバレエを続け、タトゥーにも自分が踊った役や憧れの役が多い。全身のタトゥーは黒一色で揃えている。取材時22歳。

WRITTEN BY

TATTOO TOUR TOKYO

街で出会ったタトゥーの持ち主に、その一つひとつに込めた話を聞くショート動画メディア。tattooers.jp と同じチームが撮影・取材しています。コラムでは撮影したインタビューを記事にまとめています。

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